Webディレクターが知識を身につけるための学習方法

Webディレクターという職種はデザイナーやエンジニアと違って、一つの作業に没頭して何かを行うといった事が少ない職種だと思います。
サイト制作の監督者ゆえにあらゆることに首を突っ込み、あらゆることを質問され、あらゆることを判断していく必要があります。
ですから正しい指示、判断、回答をするために幅広い知識と経験が必要となります。
経験は案件をいただかなければ積むことはできませんが、知識は学習すれば誰でも身につけることができますよね。
これからWebディレクターを目指す方、現在Webディレクターで奮闘中の方がどんな知識を学習すればよいのか解説していきたいと思います。
また実践的に最速でWebに関して学べる学習方法を知りたい方は以下もご覧ください
Webディレクターの知識【Webやインターネットの仕組み】

ちょっと余談ですが、なんでこの記事を書こうと思ったかというと引っ越しの際に妻からいらない本を捨ててほしいと依頼されましてね。
段ボールを空けると何百冊というWeb関連の本が出てきたんです。
「あぁ、こんなにいろいろな事を覚えてきたんだな~」としみじみと思ったわけです笑
でも真剣は話、こうした下積みともいえる学習機会があったからこそ今の自分があることを考えると、こうした事もWebディレクターで頑張っている方たちに伝えるべきかなと思って文章を書いているというわけです。
さあ、本題に進んでいきましょう。
10年以上前ですが、私がWebディレクターの駆け出しのころにとにかく理解しなくては!と思い、勉強したのがWebやインターネットの仕組みでした。
完全に理解できるかどうかは置いておいて、漠然とでも
「そもそもwww(ワールドワイドウェブ)って何なのか?」
「今、Webサイトはどうやって作られているのか」
「どういう仕組みでユーザーがサイトを見れているのか?」
「メールの送受信ってどういう仕組みなのか?」
などWebサイト制作に関わる人間が何を知っておくべきかを把握するために、何冊も読みました。
私は同じテーマで何冊も本を読む習性がありますが、これは
①学習したことが正しいことなのかの再確認
②一冊では学習できない知識を補完するため
という二つの目的があります。
一冊理解できていれば二冊目以降は確認も含めた学習になりますから、読むスピードも各段に早くなります。
そのため効率的に知識の再確認と、足りない知識の補完ができると考えています。
また、全体像を知ることで今度はそこからさらに掘り下げて学ぶべき、学習箇所も見えてきます。
例えば何かをする際に「作業」や「設定」なんかは、実際に手を動かさなければ覚えることができません。
でも「仕組み」や「理屈」は本を読むだけで理解することは可能です。
Webディレクターという職種はクライアントの窓口となる職種でもあるので、クライアントからあれもこれもと質問されることがあります。
・もともと使っていたメールアドレスってサイトが変わっても使えるの?
・co.jpのドメインを取りたいんだけどそれって誰でも取れるの?
・htmlでサイトを作るのと、CMSを使うのだったらどっちがいいの?
・なんでSSLにしたほうがいいの?お金がもったいないんじゃないの?
もう挙げればキリがありません。
中には「それってサイト制作と全然関係ないんだけど^^;みたいなこともあります。
でもお客様はサイト制作のプロ=インターネットのプロと思ってるため、関係ありそうなことは何でも聞いてくるんですよね。
「そこはサービス外です」とも言えませんし、「わかりません」ばかりでは頼りがいがないと思われますし、やはり知識を知っているほうがプラスになることが圧倒的に多いと私自身は思っています。
ですから、webディレクターを目指している方、Webディレクター初心者を脱却したいという方はまずWebやインターネットの全般について学習することをお勧めします。
Webディレクターの知識【HTML・CSS】
実際にWebディレクター自身が手を動かすことはないと思いますが、HTMLやCSSは学習しておいた方が良いことの一つです。
昔の本を見るとインデックスを付けて、赤線を引っ張ってメモを貼ってと一生懸命勉強していたようです、私。
そんな私がまず取り組んだのは「1週間でマスターできるHTML」という本です。
当初、HTMLとかCSSって英語ばかりで、理解するのって難しいんじゃないの?と思ってましたがきちんとしたテキストを用意すれば誰でも1週間でマスターすることができます。
そんな難しいサイトは作ることはできませんが、単純なレイアウトのサイトであれば自身でコードが書けるくらいのレベルには到達できます。
本当に一週間で。
この「HTML・CSSの理解」は自分が書けるようになるために学ぶのが最終的な目標ではありません。
WebディレクターがHTML・CSSを理解することで、
・作業量によってどの程度の作業時間が必要なのかを把握することができる
・サイト制作の難易度を把握することで、スタッフのアサインに生きてくる
・成果物として上がってきたコーディングデータのチェックができるようになる
・エンジニアの手を煩わせる必要のない簡易的な修正であれば、自身でできてしまう
といった判断力やスキルを身につけるようにすることが最終目標となります。
週末を使っても、一か月でマスターできてしまうんですからやらない手はありません!
Webディレクターの知識【PHP・JS】

あなたはPHPやJSで何ができるのかってわかりますか?
クライアントから「こんなの作ってほしい」と依頼された際に、それはHTMLで実現できるのか?はたまたPHPなのか、JSなのか?判断ができますか?
判断ができなければ誰をアサインして、どんなスケジュールになるのか見当も付かないことになりますよね。
私自身、PHPやJSについてはまったく書くことはできませんが、様々なサイトを見て「この動きはPHPで書いてるな」「この動きはJSだな」ということはわかります。
それくらいの知識で結構ですから、PHPやJSについても知識を深めておくとよいと思います。
Webディレクターの知識【サイト解析】

サイトの企画段階、サイト納品後いずれも役立つ知識がサイト解析に関する知識です。
実際にgoogleアナリティクスやアドワーズの管理画面を触って、解析するスキルは後々身につけるとしても、
・サイト解析にはどんなツールが必要なのか?
・サイト解析ではどんなことができるのか?
・サイトの成果を計るためにはどんな指標をチェックするべきなのか?
・サイト解析に関する専門用語の理解
は早い段階から覚えておいて損はありません。
PV、CVR、CPA、セッション、ランディングページなど横文字だらけですし、サイト制作に関わる以上、いつかは必ず通らなくてはいけない道です。
例えば私はサイト企画の段階で、必ずクライアントサイトのアナリティクスを拝見させていただいていました。(リニューアルする場合)
現段階でのデータを解析することで、
「残すべきコンテンツ」
「不要なコンテンツ」
「改善すべきコンテンツ」
などがわかりますし、提案に説得力が出ますよね。
また納品後に解析することで、
・自分が作ったコンテンツは成果がでたのか?
・提案した内容は正しかったのか?
・仮設は正しく立証できたのか?
・SEOの効果はでているのか?
を数字で確認することができ、必要な改善や次回以降の制作に生かすことが可能です。
成果を出すためにサイト制作をしていますから、Webディレクターが絶対に身につけなくてはいけない知識と言えるでしょう。
Webディレクターの知識【マーケティング】

私が過去憧れた職種の一つが「Webマーケター」という職種です。
市場を把握し、Webを使った販売戦略を練るコンサルみたいな職種ですが、なんかWebのプロっぽくて格好良くないですか?
今はWebディレクターもやりながら、コンサル、マーケターみたいなこともやっているので夢は叶ったということなんでしょうが(笑)、サイト制作の目的は大抵「集客・売上アップ」ですから、サイト解析同様、マーケティングに関する知識も絶対に必要ですね。
またSEOもコンテンツの質が主流となり、コンテンツマーケティング全盛です。
「マーケティングとは何か?」
「どんなことを行うのか?」
を理解することは、サイトを成功に導くうえでは大切な知識ですし、大きな武器になりますよ。
Webディレクターの知識【伝え方やライティングなどのコミュニケーション】

これは実践しながら身につけるべきスキルに分類されるかもしれません。
「話す力」
「書く力」
「理解する力」
「信頼関係を構築する力」
「伝える力」
ユーザーに向けてのコンテンツ、クライアントとのコミュニケーション(提案や折衝など)、制作スタッフへの指示などWebディレクターの仕事は必ずその対象がいます。
つまりWebディレクターの仕事の先には、必ず誰かがいるわけですね。
何をやるにしてもコミュニケーションなんですよね。
ですから、こうした知識・スキルは常に磨き続けていかなければいけないと言えますよね。
Webディレクターの知識【フォトショップやイラストレータなどのソフトウェア】

これはWebディレクターとしては必要ない知識、というかスキルかもしれませんが、アシスタント時代は大変重宝しました。
例えばデザイナーから上がってきたデザインデータを元に、CMSに入稿する場合、画像のスライスが必要となりますよね。
プロのようにソフトを扱えなくてもスライスの方法が分かればそういった事でもチームを助けられます。
またデザインに関する簡単の修正(文字の変更や色の変更とか軽微なもの)も、わざわざデザイナーの手を煩わせることもありません。
Webディレクターは納期に向けてプロジェクトを進めていくことですから、アシスタントの時から自分にできることは何なのかを意識してチームをサポートする意識は大切だと思います。
・画像スライス
・文字修正
・色変更
・写真やイラストの差し替え
こうした些細なことでもこうした事をやってもらえると大変助かりますよね。
また現在アシスタントを抱えているといった方は、こうした事をアシスタントディレクターに覚えてもらうのも良いですよ。
SEOは自分で学習するべきか?
サイトを運営していく上で切っても切れないのがSEO(検索エンジン最適化)です。
SEOとgoogleで調べるだけでも数えきれないほどのサイトやブログが検索結果に並んでいますし、Amazonで書籍を調べても多くの本が売られています。
ただSEOは時代によって変わりますし、業種によって最適な対策も違います。
また、どの本も正しいことを言っているとは限りません。
ですから、本やネットで調べた知識で頭でっかちになるのは避けたいところです。
会社に勤めているWebディレクターの方であれば、その会社の持っている成功ノウハウがあるでしょうから、本やネットの知識はあくまでも知識として持っておいて、独自のノウハウも素直に聞き入れる謙虚さを持つようにしましょう。