SlackはWebディレクターの業務を変えるか?

SlackはWebディレクターの業務を変えるか?

世界でビジネスチャットの代名詞とも言われる存在にまでのし上がってきたSlackですが、CEOであるスチュワート・バターフィールドのTwitterへの連投ツイートが話題になっています。

コロナによる全世界的なテレワーク(リモートワーク)が推奨される中で、2月1日から3月25日までの54日間で約9,000の新規有料ユーザーが増えたこと、また同期間中の1ユーザーあたりの一日当たりのメッセージ数がおよそ20%程度増加したことなどが紹介されています。

ただしこれは、経営者として業績が伸びている、また自社サービスが多くのビジネスパーソンに受け入れられたことを単純に喜んでのツイートでは決してありません。

コロナの影響を微塵にも感じさせないような不景気に強い業種というのがありますが、Slackはまさにこうした状況を追い風ともする企業と言えると思います。

しかしツイートの最後に「新型コロナウイルスと戦う最前線にいる人々にはサービスを無料で提供する」と締めくくっていることからも、Slack社もまた、未曽有のこの状況と闘っている一企業である姿勢を見せてくれました。

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フリーランスのWebディレクターである私の現状

これまで多くのチャットツールが登場してきましたが、私はSlackは必要ないため使っていません。

もちろん独自の強みである他アプリとの連動や、ワークフロービルダーの登場など特徴は理解していますがチャットツールである以上、チャットする相手が必要なわけで、Slackでやり取りする相手がいないため、必要性がなく使っていないというのが現状です。

私が使っているのはSkype、LINE、チャットワークの3つで、テキストでのやり取り、音声でのやり取り、タスクの管理などが十分に行えています。

この場合であればチャットという「相手とのやり取り」が目的ですが、いずれにしても従来のプラットフォームを変えるというのは大きな決断だと思います。

例えばSEOツールなどは、情報収集が目的であるため、より効率のよいもの・効果が高いものを「自身の判断」で行うことができます。

ただしチャットは相手がいるわけで、明日からSlackでとは、そう簡単にいきません。

これまでの習慣ややり方を変えるということですから、精神的な抵抗も大きいんですよね。

また私のようなフリーランスの場合、相手に合わせてチャットツールを使い分けるというスタンスですから、Skypeでのやり取りを希望されればそれに合わせますし、チャットワークでのやり取りを希望されればそれに合わせることになります。

そういう意味で言えば、今現在Slackで、といった話にならないため使っていないというのがフリーランスのWebディレクターである私の現状です。

Slackのようなビジネスチャットツールの使用はもっと広がるべきか?

私自身、広がるべきだと思っています。

これは制作側だけの話ではなく、対クライアントであってもこれからはSlackのようなチャットツールを使ったコミュニケーションを広げていくべきでしょう。

なぜか?

その理由は二つあります。

①意思決定のスピードを上げるため

②コストを削減するため

です。

実際こうした効果を生んでいるのがビジネスチャットツールなんですよね。

例えば私は、東京にいながら静岡県や愛知県にもクライアントさんがいらっしゃいます。

東京でやっていることもあり積極的に県外での営業活動をしているわけではないのですが、縁があってサイト制作、コンサルティングをお任せいただいています。

以前の会社では東京にいながら大阪にも、山形にも、北海道にもと全国各地に担当クライアントがいました。このような会社はきっと多いでしょう。

このように全国関係なく足を運び、営業活動を行うといった特徴は国土が狭く、交通網の発達した日本のビジネスの特徴とも言えると思います。

この「足を運ぶ」という行為がクライアントとの人間関係や信頼関係の基盤となるといったことが日本人の特性上大いにあるわけで、「足を運ぶ」そして「顔を見合わせたコミュニケーション」はビジネスパーソンの100%が携帯電話を持っている状況でもなくなることはありませんでした。

でもこれって、コストがかかるんですよね。

また話し合いたいことがあるのにわざわざ時間を設定して、会わないと打ち合わせができないとなると、何かを決めるのにめちゃくちゃ時間がかかるんですよ。

こうしたことって対クライアントだけではないですよね。

ですから社内におけるコミュニケーションも、社外におけるコミュニケーションも、またWebディレクターであれば外注とのやり取りなどもどんどん活用していきべきだと思います。

ちなみに私は別に、Slackにこだわる必要もないと思います。

こうしたものって栄枯盛衰ですから、Slackというプラットフォームもいつまで使えるかなんて誰にもわかりません。

それに、

文化やそれぞれのITリテラシーやスキルがありますから使いやすいものをチョイスしたらいいんです。

ビジネスチャットツールと呼ばれるもの以外にも、ベルフェイスやオントークなどオンライン商談ツールもどんどん生まれています。

こうしたインターネットやツールの力を借りて、意思決定を早くする、コストを押さえるということはサイト制作現場において「制作費用を押さえる」「納期の短縮」などにもつながり、クライアントのプラスに働くと思います。

コロナという不測の事態が引き起こした、ある種の働き方改革。

今こそ、大胆に社内、社外とのコミュニケーションの取り方という舵取りを一気に取るタイミングだと、私は感じています。