Webディレクターの外注はありか?なしか?

Webディレクターの外注はありか?なしか?

サイト制作の現場にいると、全ての人的リソースを社内でまかなえるという事ばかりではありませんよね。

デザイナー、フロントエンドエンジニア、バックエンドエンジニアなど必要に応じて外注さんに依頼するというケースが多々あると思います。

私が考えるにエンジニア系は外注を使いやすい職種であるような気がしますね。私自体はないですが、今では国内を飛び越えてオフショア開発もさかんに行われるようになってきたという印象です。

言語が日本であろうと海外であろうと、htmlやCSS、PHPなど使用する言語は世界共通ですから外注しやすいし、海外に出すことでコストカットができるというメリットもありますね。

デザイナーにしても世の中にはものすごい数のフリーランスのデザイナーがいますから、こちらも外注で十分賄えてしまいます。

Webディレクターはどうなのでしょうか?

制作の指揮者であるWebディレクターは外注できるのか?外注してもよいのか?するべきではないのか?今回はその辺りについて考察していきたいと思います。

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外注しようと思えば、世の中には両手に余るほどのフリーのWebディレクターがいる

Webディレクターの外注はありか?なしか?の前に、そもそもWebディレクターを外注に頼むことができるのかという点が先だと思います。

(あ、ちなみにこの話は制作会社の立場で考えた考察となります。)

世の中にはいろいろな会社がWeb制作業を営んでいます。

実際に制作スタッフを持つ会社もあれば、広告代理店やコンサルタント会社などは営業ばかりがいて、受注したらお抱えの制作会社に丸投げという会社もあるでしょう。

また制作会社にもプログラマーはいるけど、デザイナーはいないとか、デザイナーばかりでプログラマーはいないとか、会社の規模にもよりますが全ての会社が潤沢なリソースを自前で揃えられている会社ばかりではないですよね。

もちろんそうした不足を補うために「外注」という仕組みがあるわけですが、デザイナーやプログラマ―などは自営でやられているフリーの方がたくさんいらっしゃいます。

でも実はWebディレクターもフリーでやっているという方が実は多いのです。

例えば私もフリーになったばかりのころは人材紹介会社に登録して、案件をいただいたことがあります。

またクラウドワークスやランサーズなどにもフリーで仕事を獲っているディレクターがたくさんいますよね。使えるかどうかはいったん置いておいても世の中には有り余るほどのWebディレクターが仕事を募集していることは間違いありません。

こうした現状を鑑みると、デザイナーやプログラマー同様、Webディレクターの外注という選択肢もあることはあるのです。

Webディレクターの外注はあり?なし?

私の結論ですが、「なし!」です。

絶対にするべきではないと考えています。

何故なら、webディレクターは制作をゴールまで導くための指揮者・監督者であるからです。

以下に具体的にすべきではない3つの理由について述べたいと思います。

1.クライアントはディレクターに任せたのではなく、その会社に任せているから

ディレクターはあくまでもサイト制作におけるお客様窓口の立場でしかありません。

クライアントからご契約をいただき、「サイト制作の責任者」として任命されたに過ぎないわけですよね。

クライアントの立場からすると、何等かの理由で「御社にお任せしたい!」となったわけですよ。

その会社が掲げる理念に共鳴したのか、実績なのか、その会社にしかない特別な強みに惹かれたのか、いずれにしても制作会社に頼むんですよね。

ですから経験があるからとか、知識があるからっていう理由だけでは外注することは危険だと思うんです。

わかります?

つまり会社の代表として、きちんと会社の考え方ややるべきことを理解しているプロパー社員であることが必須であるということです。

2.制作のリーダーだからこそプロパー社員を活用するべき

サイト制作はディレクターを筆頭に、デザイナーやプログラマー、アシスタントまで様々な職種・立場の人間が集まってチームを組んで制作にあたりますよね。

先述で、会社の代表として、サイト制作に携わる責任者として、会社の考え方、やるべきことを理解していることが大切だと述べましたが、これは対クライアントだけではなく対制作スタッフにも同様です。

クライアントの希望や目標を共有し、制作チームにそれを落とし込む、さらにそれを実現するために自社の強みやできることを踏まえた上で、制作陣を動かすためには単に知識や経験があるだけの人間では難しいでしょう。

そもそもクライアントがあなたの会社に頼んだ意味がなくなってしまいますよね。

それこそ外注に直接頼めばもっと安くやってくれますよ、で済んだわけですよ。

クライアントからの期待に応えるためには自社のことがきちんと理解できている人間に任せるべきですし、もしWebディレクターがいなければWebディレクターだけは自前で育てるべきでしょう。

3.責任者を外部の人間に任せるのは怖すぎる・・・

クライアントとの窓口になるWebディレクター。

感謝の言葉も文句も基本的にはWebディレクターが受けますね笑

まあそれはディレクターの実力次第なわけですが、感謝の言葉をいただけたのならいいんです。

外注した側としても「Webディレクターさんありがとう、次回もよろしく!」となるわけですよ。

ただその逆だった場合、、、、

問題が発生し、クレームへと発展してしまったら、、、

極端な話、外注しているということは社員ではありませんから逃げることもできますし、適当にごまかすこともできます。

まあ、こんな確率相当低いんでしょうが、そうなったら目も当てられません。

責任者に外注を指名したばかりに、会社の信用を落としてしまったとならないためにお客様窓口になるディレクターは、やはりプロパー社員が望ましいのではないでしょうか。

Webディレクターの外注も、要は使い方次第

以前私が勤めていた会社では、Webディレクターを一部外注で依頼していたことがありました。

その際にはプロデューサーがきちんと手綱を締めて、成果物やお客様とのやり取りなどの報告を逐一させていたんですよね。

そうした自社のお抱えディレクターを養成したことで、社員で雇わなくても受注の増減に合わせて柔軟に対応できていたわけですね。

きちんとした教育を施せば十分外注でも回せるという良い例だと思います。

確かにプロパー社員に任せる方が会社としても目の届く範囲でクライアントや制作スタッフとのやり取りを管理できますから、安全・安心ですが育てるのも一朝一夕ではありません。 しかし多くの案件に柔軟に対応するためには「Webディレクターの外注」も使い方によっては有効なのではないでしょうか。