デザインを一発で通すためのコツとクライアント折衝術

デザインを一発で通すためのコツとクライアント折衝術

Webディレクターの日常は制作スタッフから上がってくる成果物の確認・修正依頼・進捗管理ですよね。

そして、それをクライアントに提出して説明する、これもまた日常です。

制作スタッフとクライアントの間に立ったデータや情報のやり取り、報告は日常中の日常で、まるで空気のようにやりこなせてしまうのがWebディレクターかもしれません笑

その中でも特にクライアントが楽しみにしているのがデザイン提出ではないでしょうか。

自社サイトがどんなデザインになるんだろうとワクワク・ドキドキして待っていることでしょう。

デザイナーが心を込めて作ったウェブデザイン、ディレクターだったら一発で通してあげたいですよね。

一発で通すということはチームからの信頼度もグンっと上がりますし、何度も確認をしなくてよいという点で進捗もスムーズになります。

またクライアントとしても何度も修正をするような形になってしまえば、大丈夫だろうか?本当にお任せしても良いだろうか?と不安になってしまいますよね。

進捗管理においても、デザイナーにおいても、クライアントにおいても一発でデザインが通ることが最良です。

ただ、、、何度もデザインでNGを食らってませんか?

そんな方に向けてデザインを一発で通すコツとクライアント折衝についてご紹介します。

Advertisement

デザインを一発で通す最重要項目5つ

デザインが通らないということは、一言で言うならクライアントの希望とズレていたということですよね。

その理由はデザインテイストなのか、使用している写真が気に食わないのか、理由はいろいろあるんでしょうけれども、まあ気に入ってもらえなかったという事ですね。

もちろん修正すればいいのですが、もしかしたらクライアントとのミスコミュニケーションがなければ希望とずれたようなデザインにならなかったかもしれません。

以前にも書きましたが、「手戻りはコスト」ですからできるだけ無駄がないように進捗管理をしなくてはいけません。

ちなみにミスコミュニケーションを起こさないために打ち合わせがあり、その後はデザインに着手するまでの段取りがあります。

その段取りを一歩一歩確実にこなしていくことが重要で、それさえきちんとできていればほとんどのデザインは通ります。

間違いありません。

それが次の5つです。これは非常に大切なことなので噛みしめて、読んでください!

①打ち合わせで十分なヒアリングを行い、
②クライアントの目的をきちんと理解した上で、
③マーケティングを行い、論理的なワイヤーフレームを作成し、
④ペルソナに訴求するキャッチコピー等を配置した上で、
⑤デザインを行い、その意図をディレクターがきちんとクライアントに伝える

どうでしょうか?

もし、今デザインでNGを食らったばかりという方は、そこまでを今、見直しましょう。

今まさに、デザイン着手前という方は果たしてきちんと段取りを踏めているか確認してみましょう。

クライアントがサイトを制作する目的は何ですか?
その目的が達成できる根拠がそのデザインにはありますか?
メニューやバナーの配置など、なぜそこに配置したのですか?
クライアントが求めるコンバージョンが獲得できる根拠はありますか?
ペルソナの年齢や性格、人となりまで理解できていますか?
たった一人のペルソナの心を動かせなければ何百、何千という人の心は動かせませんよね?

そうです、もうね、一発でデザインを通せる達人にまで到達するまでは何回でも見直していただきたいんですね。

だって、、、何度も言いますがデザインが通らないということは「余計なコストがかかる」「クライアントもストレス」「デザイナーに負担をかける」「進捗が進まない」「自分もストレス」で一個もいいことないですから。

大切なことは強引に説得して、一発でデザインを通すコツを覚えていただきたいのではなくクライアントが成功できるサイトをデザインして、クライアントにも喜んでいただく、そしてデザイナーにも自信を持ってもらうことが目的です。

そのために上記の【デザインを一発で通す最重要項目5つ】は必ず理解してくださいね!

クライアント 折衝術 主導権は必ずディレクターが持つべし

これはデザインに限った話ではありませんが、対クライアントでコミュニケーションを取る際はディレクターが主導権を持つべきです。

どういうことかというと、Web制作という土俵で会話をするわけですがディレクターとクライアントとの間には知識の差・知恵の差などがあります。

素人とプロが話すわけですからその差があるのは当然ですし、大人と子供が会話しているみたいなものです。

ですからディレクターはプロとして、大人として、クライアントを良い方向に導く役割が求められるわけですね。

・間違っていることを言えば、正してあげる
・感覚がズレていれば、修正してあげる

その上で、そもそものサイト制作の目的を達成するために必要なことを提案してあげる・教えてあげるというスタンスが必要なんですね。

となるとですよ、主導権がクライアントなんて事はありえませんよね?

普通、想像できなくないですか?

ただ、世の中にはいるんですねクライアントに主導権を握られてしまうディレクターが。

理由はいくつかありますが、難しいなと思うのはクライアントがものすごく強引な方である場合。

もちろん話の進め方がまずかったために頑固にしてしまったということもありますが、もともと頑固で強引な方っていらっしゃいますよね。

そのような方との対応はやはり骨が折れます。

何度も何度も伝えて理解していただくことでしょう。

「サイトがオープンしたらあなたの言うことを聞いておいてよかった」と言ってもらえるだろうと、そのために一生懸命やってみることです。

間違っていることをわかっていながら、素通りするより衝突するほうが正義なこともあります。

または上司や先輩に相談して、代わってもらうか。そもそも人材配置を間違えている可能性もあります。

 

ではそうではない場合、理由はおそらく一つです。

クライアントの言いなりになることが正しいと思ってしまっているからです。

これはここまで読んだ方なら、間違っているってわかりますよね。

プロと素人、大人と子供なわけですから、言いなりになったら十中八九間違った方向に進みます。

知識や知恵がないのであれば勉強しましょう。

もしくは上司や先輩に聞いて理解しましょう。

その努力がなければ一人前のWebディレクターにはなれませんし、クライアントを正しい道に導くこともできません。

作ったけど成果が出ないなんてことはクライアントにとっても、自分自身にとっても辛いことですよね。

デザインを提出する際は、

何故このようなデザインにしたのか?

これをサイト制作の目的を理解した上できちんと論理的に説明する
そしてできるだけ決裁権者(社長や役員の方など)に直接説明する

ということを意識してください。

クライアント折衝の際は「こちら都合」で話してはダメ!

私たちWebディレクターは、お金をいただきクライアントのためにサイト制作をしています。

その根本的な事を理解できていないディレクターが多いと見受けられます。

以前、私の部下の受け持ち案件でこんなやり取りがありました。

クライアント:「デザインは3パターンほど出していただけますか?

ディレクター:「3パターン出すということは、その分コストがかかってしまうんでやっていないです。

こういったことってよくありませんか?

幸いその時は理解のあるクライアントだったこともあり、ご理解いただくことができましたが、これが引き金でクライアントが機嫌悪くなったり、クレームに繋がることもありますね。

確かにディレクターの対応としては間違っていないかもしれません。

言っていることはその通りです。

ただ、クライアントの立場としては「そちらの都合でやっていない」と断られて、こちらの都合を理解してくれなかったと感じるかもしれません。

結局は言い方なのですが、断るのであれば「先方の都合」を聞き、先方が抱える「不安」を理解した上で1パターンの提出でも十分だということをきちんとお話しすることです。

断ってはダメと言っているのではなく、言い方に注意しないと地雷を踏むよってことです。

この場合であれば、

クライアント:「デザインは3パターンほど出していただけますか?

ディレクター:「どうされました?何か心配でもありましたか?

クライアント:「気に入ったデザインが上がってくるかわからないから、とりあえず3つくらいは見てみたいなと思って。」

ディレクター:「なるほど、そうですよね。費用かけてる分、きちんと集客に繋がるサイトにしたいからそう思われるのも当然だと思います。
↑ここポイントです!「集客」というサイト制作の目的をきちんと理解していることを伝えています。

クライアント:「そうなんだよね。」

ディレクター:「もちろん3パターン出すことはできますよ。ただ今回のお見積りだと1パターンでということになってるんですね。
↑ここもポイント!きちんと見積り内容や契約内容を伝えてできないことを伝えています。

クライアント:「え、そうなの?」

ディレクター:「そうなんです。ただ弊社のクライアントさんは皆さん1パターンの提出でお任せいただいているんですね。
なんでかっていうとサイト制作の目的やペルソナなんかを最初の打ち合わせで共有させてもらってますし、私たちも〇〇な業種についてはこれまでも制作経験があるので、同じ業種の方なんかは特に安心していただけますし、そもそも希望とズレるなんてことってないんですよね。」
↑ここもポイント!みんなが1パターンだということを伝え、自分たちに任せていただければ安心、というエビデンスも提示します。

クライアント:「みんな1パターンなんだ。」

ディレクター:「そうなんです。とはいえ最初から完璧なことばかりではないので、もしご覧いただいて修正してほしい箇所があれば、もちろんできますし、そこはきちんと対応していきますのでまずは1パターン見てみていただきたいんですよね。」
↑最後のポイントです!もし気に入らなければ修正できるという保険を提示して、安心させてあげてください。

クライアント:「わかりました。」

同じ断るのでも受け取り方が全然違うと思うんです。

そもそも「できません」という否定的な言葉を使っていません。

また随所にクライアントに「そうなんだ」と思ってもらえる安心ポイントを入れています。

こうしたコミュニケーションが取れれば、デザインに限らずどんなケースでもクライアントからNOと言われることなく、こちらの主張を通すことが可能です。

対クライアントコミュニケーションは業務の進捗を左右する大きなポイントです。是非覚えておきましょう!